大判例

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東京地方裁判所 昭和48年(ワ)4662号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

値上げした賃料額の確認を求める訴訟において被告は次の如き抗弁を提出した。

「被告の賃借物件中には、本件建物部分に設置してあるクーラー二基が含まれ、これが効用を持続することが契約の内容となつている。しかるに、昭和四五年度、右クーラーがその機能を果さないので、同被告は原告に対し、クーラーの修理ないし取換えを求めたが原告はこれに応じなかつた。同被告は、やむなく、そのころクーラー一基を二四万円で、さらに、同四七年他方のクーラー一基を一三万円で、各購入して従前のものと取換えて設置した。

右は、原告が負担すべき必要費を同被告が立替えて支出したものであるから、同被告は原告に対し合計三七万円の費用償還請求権を取得した。

原告の本訴請求が一部でも認容されることになれば、原告は同被告に対し、昭和四八年六月一日以降増額分相当の賃料債権を取得することになるので、同被告は、同五一年三月一六日の本件口頭弁論期日において、前記三七万円の自働債権をもつて原告の右増額賃料債権と対等額において相殺する旨の意思表示をした。

よつて、原告の本訴請求は、その増額確認の時期を自働債権で充当完済時以降になすべきものである。」

【判旨】

五被告山尾は、相殺の抗弁をもつて争うが、本訴請求は、増額請求によつて形成された賃料債権の確認を求める請求であるから、給付請求に対してのみ提出しうる相殺の抗弁を本訴請求において提出抗争することは許されないものというべく、同被告の抗弁は、この点において失当であるからその余の点につき判断するまでもなく理由がない。

(寺澤光子)

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